応援呼んで土曜の夜から、
プロミュージシャンの新居におじゃましました
電車乗り継いで5時間
入居半年足らずにしてなじみ感がパナい
自分はこんなに肩の力の抜けた家はつくれないかもしれない
とにかく脱力して、ミュージシャンのトークを浴びているうちに
疲れてるなオレ、ということがよくわかった
疲れるんですよ今のお仕事は
月曜日辞表だそう
イェイ
帰りの電車
女子高生Aがオレの肩に頭をもたせかけてウトウト
カバンとお土産袋を抱いたままオレは宇多田ヒカルを聞いていた
混んでいた車内が急に空いて、女子高生Aの向こう側には誰も座っていない
混んでいた時からすでにくっついて寝ていた女子高生Aは、今やオレの彼女か妹か何か、のように見えていた
秋の夕日は真正面からオレの顔を刺し
影になった向かいのオバンたちはオレに不審の目を向けていた
女子高生Aのスカートから伸びる太ももとふくらはぎはぴったりとオレの脚にくっついていて
彼女たちの代名詞である毛先をカールさせた黒髪から
女子高生Aの体温がオレの肩に伝わってきた
別におかしな事はない、彼女たちは社会から守られるべき存在で
オレは彼女たちのまっすぐな生き方を全面的に認め、行く先の安寧を願い
その表明としてじっと肩を貸すのだ
八王子からは似たような景色が続く
そびえ立つマンションと四角三角の家たち
向かいのオバンたちと同じようにみんな影になって、左から右へと流れていく
オバンたちはオレを不審がるのに飽きて、皆そろって舟を漕ぎはじめる
オレは夕日から目を離さなかった
you、you、you
oh 人生狂わすタイプ
ah 許されぬ恋ってやつ?
分かっちゃいるけど君に夢中
女子高生Aはオレが降りる駅に着くなりがばっと起き上がって
職務に忠実な頭置き台には目もくれずに
いつもと同じ帰り道をまっすぐ辿っていった
寝る