R‐25

大沢在昌
「たとえば“俺はいいものしか書かねえんだ“って言って1年も2年も腕組みしてたら、闘ってるとは認められないでしょう。
注文があって、それを流してこなしても、闘ってることにはならない。
トンネルを堀続けてるようなものなんです。
どこかで硬い岩にぶつかる。いくらノミを振っても割れない。
そこで腕組みしてたら終わりなわけで。
“じゃあこっちの土はどうなの、あっちはどうなの“って、あっちこっち一生懸命もだえながら悪戦苦闘している。
そういう姿を“闘ってる“と呼ぶんだって僕は思うんですよね」