夜のメトロ

やっと帰途
駅前のゲロはいつのまにか消えて
その上でもと吉本の芸人がタダで人の話を聞いていた
メンソレータムみたいな名前だった



かっこいいといえば黒人は、かっこいい
彼らを見るたび、洋服やアクセサリーは彼らのためにあるんだ、と
思わざるをえない



黒人が降りると関西弁のスーツおやじと黒いワンピースの女が座る
三十代後半


子供が巨大なドーナツにかぶりつく写真がプリントされた
結婚式の引き出物みたいな袋を持ってる
楽しそうに手つないで話してるけど
二人の関係がよくわからない


じっと聞き耳立ててたらおやじの方が女にグッとよってきて
今晩ぼくと寝てみん?
て言った


女はエ、あたしでいいんですか?
て言った


ほぉ・・・




自分のとなりに座ってるのは
酔って眠くてたまらないけど
しゃっくりが止まらなくてなかなか寝れないアロハのおっさん


太ももにでかいホクロがあって
そこから白髪まじりの毛がもっさり生えてた


逆側の離れた席に座ってるのは
片眼だけに白のカラコン入れて瞳孔収縮のアニキ
こういう人は見るたびいつもお肌がきれい



おわり