見聞を広めようらんま(長い

ダンスを知ろうの巻



年末にうちの店で
いろんな派遣社員の人とよく組んだが
そのうちの2人がダンサーだった


1人はSE系の仕事をしていて自分と同い年くらい
もう六年趣味で踊っています、ていう



もう1人はまだ18で
ダンサーの学校にバイトしながら通ってて
いずれダンス界を牛耳ってるなん太郎とかいうのの付き人になって
いつかそいつを超えます
ていう


その若いほうが
今日くらいに新横浜のバーで踊るというので行った
彼の連絡先は知らなかった


行く前バーに電話したら
出るのは昨日だったらしい
でも今後レギュラーで出るようになるとか
フーン
相方は来てると聞いて、せっかくだから行った
あんなに感性が合うやつは今までいませんでした、と
相方について18歳は言った



そもそもダンスがダンスのみで存在していることをオレは知らなかった
頭を地面につけてくるくる回るとか、バックダンサーとか
そういう見世物とか補助的なものしかないと思っていた



バーは基本ガールズバー
素晴らしいポールダンスが数時間おきに見られる
らしい


店長が電話で相方と言っていたのは実際はその若者の先生で
ガールズの代わりにオレについてくれた
オレより2、3こ上だと思うが
ノッポさん帽子をかぶって
ウーノの宣伝に出てきそうな肌のきれいな兄貴だった
わざわざきてくださったのに申し訳ありません。


ダンサーの学校は夜だけで
若者は高2の時から通い始めたらしいが
最初にその先生と会った時
自分はダンスをするために生まれてきました
みたいなことを言ったらしい


あいつはダンスのキレはいいけど、バカですね。
と先生


ダンサーは基本みんなバカです。
て年末に若者はオレに言った


そんな彼はマイケルが死んだ時
テレビで色々と彼の映像を見て
それで感銘を受けてダンスの道に踏み込んだらしい
だからオレもここ一週間くらい、マイケルの映像を探して見て勉強してたが


マイケルはポップダンスやロボットダンスで
私がやるのはロックダンスなので、自分の所でいいのかと最初思った
と先生
先生のダンスはロックダンスの中でも喜びを前面に出す
ハッピーダンスというものらしい
たしかに踊りのおにいさん的なさわやかな印象
ごくたまにこういうバーに出て
接客も含めて働くらしい



ダンスについて全くの無知なオレは
喜びを前面に出す!
て興奮して言った



ダンスは義務教育の必修科目に組み込まれたりして
体づくりにとてもいいらしい
世界大会なんかで優勝すると
億のカネが手にはいるとか
少なくとも日本ではこれからの業界だとか


そういうダンスは昔アメリカで
ギャングの抗争がひどかった時に平和的に解決する手段として
ダンスを見せあってその集団の優劣を決めたのが始まり、とのこと
8Mile的なアメリカンな話



先生は若者に電話かけてくれて
お前に会いにきてくれたんだと伝えた


若者は今日踊る予定がなくなったことを
オレにどう伝えようか考えたんですよ・・・ああ申し訳ないす
て言った
あとで先生が若者の連絡先を教えてくれた


あんなガキんちょの話を真面目に聞いてくれてありがとうございますとか
らんまは年上の話は真剣に聞かない



ダンスにはきたない、裏の面もあります。やっぱり。芸能界は。
彼は一生懸命ですけど、そんな裏の面を知りながらやっていけるほどの力はまだついてないと思います。
一回ガツンと一発、やられる時がそのうちくると思います。



先生の話を聞いてる間
後ろをポールダンスの姉さんがカツカツ歩いていったり
隣でおっちゃんたちがガールズとたのしく話したりしてた
フルーツ盛りの出前も受けているようで
すいてたけどなかなか忙しい夜の店であった


いろいろ勉強させていただいてすんません
て言って店を出た





店には一時間もいなかった
せっかくだから家系ラーメン食ってくかと思って寄った
正確には家系ではなくて博多とドッキングな細麺の店


一番高いのを買ってみたら揚げにんにくが大量に入っていた
カピタン添えってこれかよ一日はえーよコノヤロー
って言って
普通のラーメンをお代わりした


やっちまった
ラーメンお代わりとかビバ☆プヨ腹


スープを残して替え玉もできるんですが・・・
とか店員のオジンが言うので
知ってるよお腹へってんだよバカヤローって言った



おわり